恋も試合も全力で!【番外編】
*喧嘩【裄】
【裄】
「裄は何にも分かってないっ!!」
「ああ、そうかよ!!」
泣きそうな顔をして、俺を睨みつける浅海。
分かってないのは、どっちだよ。
大学二年になって、俺たちが付き合い出してから三年が経った。
最近は専ら喧嘩ばっかりで。
今も浅海は俺の態度が気に入らないらしい。
「もういい!! 裄のバカー!!」
捨てゼリフが“バカ”ってどうなんだよ。
やれやれと、俺は椅子に座る。
こういうことは、今に始まったことじゃない。
最近の浅海は、どうもキレやすい。
些細なことで怒って。
俺も納得がいかないから、言い返してしまって。
それがいつも喧嘩にまで発展。
けど、いつも俺が悪いわけじゃない。