恋も試合も全力で!【番外編】
「もう無理なんだけど」
「は?」
俺の言葉に顔を歪める浅海。
どんな顔したって知らねぇ。
無理なもんは無理だ。
「きゃっ………は!? 何してんの!?」
俺は浅海の腕を引っ張って、思い切り抱きしめた。
まわりの視線が集中してるのが分かる。
けどそんなの気にしてられっかよ。
「俺が悪かったから、機嫌直して?」
結局謝っちまうんだよな。
やっぱり俺って、浅海に弱いのかも。
「お前と喧嘩してんのなんか、無理だわ。隣に戻ってきて?」
なんか俺、毎回同じこと言ってる気がする;;
そして、浅海は決まって同じことを言うんだ。
「………うん」
…あれ?
今回やけに素直なんだけど。
いつもだったら、少しどもりながら
『し、仕方ないなあっ!///』
って言うんだけどな。