恋も試合も全力で!【番外編】
「後期、忙しくてバイトできなかったから、槇に短期のバイト紹介してもらったの」
「何のために…?」
バイトなんてする必要ないのに?
そう思いながらも裄を見つめていると、手に持っていた箱から何かを取り出した。
そして、あたしの首元に腕を回す。
ひんやりとした感覚が、首に伝わった。
「クリスマスプレゼント、買うためだよ」
あたしの首には、小さな石のついたネックレス。
あたしの誕生石、ピンクトルマリンの。
「ピンクトルマリンの石言葉知ってる?」
微笑みながら、裄は聞いた。
あたしは首を左右に振る。
「希望、忍耐、幸福。今の俺らにぴったりじゃね?」
裄があまりに笑顔で言うから、あたしは泣きながら頷いた。