恋も試合も全力で!【番外編】
「ただいまー!!」
靴も適当に脱ぎ捨て、裄のいるリビングへと走っていく。
ドアを開けると、
「おかえり」
裄の優しい笑顔があった。
「今さっきご飯出来たから。座って食べよ」
そう言いながら、あたしの椅子を引いて待つ裄。
いつもはいじわるな裄が、たまに見せる優しい姿。
あたしはこれに弱い。
ドキドキしながらも、腰を下ろす。
裄がいつもよりかっこ良く見える。
それは、記念日だからかな?
テーブルに並ぶ料理たちは、どれも豪華なものばかりで。
あたしの好きなものが、たくさん並んでた。
「ねぇ、裄。このパスタ、茄子入ってるよ?」
裄は茄子が嫌いなのに。
「だって、浅海、茄子好きだろ?」
こうやって、あたしのことを優先してくれる裄に、
涙が零れそうになった。