恋も試合も全力で!【番外編】
「浅海。8年おめでと」
裄が、微笑みながら言った。
だから、あたしも笑った。
「おめでとう。これからも、一緒にいてね?」
「当たり前だろ? ていうか、」
そう言って、席を立った裄。
部屋に入って、すぐに出てきた。
手には、何かを持って。
「これからも、一緒にいて下さい」
まっすぐあたしを見ながら言った裄の手には、
光り輝くものがあった。
「え………?」
あたしはそれが何なのか、すぐに理解できなかった。
小さなダイヤのついた、銀色のわっか。
それが指輪だと気付いたのは、裄があたしの隣に腰を下ろした時だった。
「仕事も落ち着いたし、東京での暮らしにも慣れたしさ。
俺たちの愛を、形にしようよ」
そう言って、あたしの左手の薬指に、そっと指輪を嵌めた。