恋も試合も全力で!【番外編】
未だ放心状態のあたしは、裄を見上げた。
優しく微笑む裄に、何か熱いものが込み上げた。
それはそのまま、あたしの頬を伝った。
「裄っ……」
あたしは堪えきれずに、裄の胸に飛び込んだ。
裄が、愛しかった。
好きだって、大好きだって、思った。
「浅海、結婚しよう」
その言葉に、あたしは涙が止まらなくなった。
あたしの幸せは、裄といること。
裄の隣にいることが、あたしにとっての幸せなんだって。
それはずっと前から思ってた。
でも、いつまで隣にいられるのかっていう、不安もあった。
付き合いが長くなるほど、その不安は大きくなって。
けれど、裄の言葉一つで、その不安は一気に吹き飛んだんだ。
“結婚しよう”
この言葉だけで、あたしは生きていけるよ。
「これからも…よろしくね」
裄を見上げて、微笑みながら言った。
《END》