恋も試合も全力で!【番外編】
そんな時。
「あ、あのっ!」
突然の呼びかけに、顔を上げた。
そこには、体操服を着た、他校の一年と思われる女の子。
背は低めで、肩くらいの長さの髪が、幼さを引き立てた。
「さっきの試合、見てましたっ。それで、あの、これ…」
そう言ってその子が差し出してきたものは、フルーツゼリー。
なんだろう?と眺めていると、
「実は差し入れで余ったものなんですけど…元気なかったんで」
多分俺を気遣ってくれたんだろう。
オロオロしながら差し出すそれを、俺は笑顔で受け取った。
「ありがとう」
そう言って微笑むと
ぱあーっと笑顔になった彼女。
不覚にも、ドキッとしてしまった。