恋も試合も全力で!【番外編】
*君との始まり【槇】
【槇】
「ねぇ、槇。
あたしたちが付き合い始めた日、覚えてる?」
綾子のこの一言で、俺はあの日のことを思い出した。
忘れるわけねーじゃん。
今までで1番、綾子が可愛かった日のことを。
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高校に入学して、1ヶ月半が経った頃だった。
南高校バドミントン部の一員として、俺は体育館にいた。
まわりには、パートナーの裄、
裄の想い人、浅海、
そして、俺が想いを寄せる綾子。
今からダブルスのゲームをする。
もうすぐ高校初めての県体。
まだ1年の俺たちも、ダブルスだけは出させてもらえるみたいで。
気合い充分だった。
裄とのダブルスは、何度か優勝だってしてる。
それは綾子と浅海も同じで。
お互いメラメラと炎が燃えていた。