恋も試合も全力で!【番外編】
あまりにも優しく笑う彼女が、気になってたまらなかった。
「ケガ…早く治して、次の大会ではかっこ良い姿見せて下さいね」
笑って去っていく彼女を、俺はじっと見つめていた。
もらったゼリーを食べる。
さっきまでクーラーボックスに入っていたのか、ひんやりとした口ざわり。
なんだかすごく甘く感じた。
それはきっと、彼女………
浅海がくれたものだったから。
二年になって、浅海の試合の主審をして、初めて名前を知った。
それから顔見知りの仲になり、
高校に入って友達になり、
恋人同士となった。
今思えばあの時、俺は浅海に一目惚れしていたのかもしれない。