恋も試合も全力で!【番外編】
「綾子ー、俺たちの勝ちだなっ」
「あーもうっ、男子の力に勝てるわけないじゃあん!」
…いや?
綾子もノリノリでOKしてなかったっけ?
今更言い訳かよ。
「さっ、約束だよな?
1回だけ、俺の言うこと聞いてもらうぜ?」
「あーはいはい。何をすればいいんですかっ。
どうせジュース買ってこいとかでしょう」
「山本槇の彼女になる」
「はいはい、彼女ね…………って、え?」
俺の言葉に、驚いた表情のまま固まる綾子。
近くにいた裄と浅海も、同じ表情して俺を見ていた。
「……はっ? え、う、はっ、えぇぇ?」
綾子は不思議な声を次々と漏らす。
俺は少し赤くなって、綾子から視線を逸らした。