恋も試合も全力で!【番外編】
*君との始まり【綾子】
【綾子】
槇の横顔を見てたら、ふと思い出したんだ。
槇がかっこ良かった、あの日のことを。
「ねぇ、槇。
あたしたちが付き合い始めた日、覚えてる?」
そう問いかけると、槇はフッと笑って言った。
「当たり前じゃん」
あたしも、だよ。
もう何年も前のことなのに、つい最近のことのように思えるんだ。
すべては槇のあの言葉で始まったから。
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その日の部活は、主にゲーム中心だった。
高校1年の県大会。
あたしと浅海、槇と裄は、ダブルスだけ出させてもらえることになっていた。
そのための力試しといったところ。
その日のゲームは槇&裄ペアと。