恋も試合も全力で!【番外編】
「綾子たちと試合するの、初めてだよなぁ」
握手をしながら、槇が話しかけてきた。
「そうだねー。負けないよ?」
あたしも自信満々に返す。
「俺だって負けねーし。なんなら、賭ける?
勝った方が1回だけ命令権あり」
「おっ、それいいねぇ~」
なんであたしはこの誘いに乗ったんだろう?
それは今でも不思議だけど。
こうして試合は始まった。
浅海得意のネット際、あたし得意の攻撃を使って、
上手く二人を動かしていた。
男だからって負けない。
力で負けるなら、技術で勝つまで。
だけど、あたしたちの遥か上をいくのは裄。
裄の技術には、誰も勝てない。
裄の打ったスマッシュが、鋭くあたしたちのコートを跳ねた。