恋も試合も全力で!【番外編】
「槇ー」
「んー?」
あたしが呼びかけると、槇はテキストを眺めたまま相槌を打った。
「あたしが彼女で良かったって思う?」
あたしが言った途端、クルッと視線をこっちに向けた槇。
そんな槇に、ドキッとしてしまった。
だけど槇は。
「…大丈夫?」
あたしの頭を掴んで、心配そうに見る。
「もうーっ、槇っ」
あたしは槇の手を振り払うように、頭を思い切り振った。
「はははっ、冗談だよ」
そう言って笑う槇に、怒る気も失せるぐらいドキドキしちゃってる。
槇はあたしの後頭部に手を回し、優しく引き寄せた。
一瞬のうちに重なる唇。