恋も試合も全力で!【番外編】


「綾子、泣くなって」


震えていたからか、
あたしが泣いていることに気付いた槇。


あたしって今、すごい重いのかな?

テスト勉強のために一緒にいるんだから、当然槇が正しいよね。


けど好きだから。

一緒にいると、つい触れ合っていたくなるんだよ。


「あーもうっ!」


突然、
イライラしたような声を出す槇。

やっぱりあたし、うざかったんだ。


そう思ったら、涙が更に溢れ出した。


「まじバカだし、俺」

「え…?」


“俺”?

バカなのは、あたしでしょ?


その時、
後ろからフワッと、槇の腕に包まれた。




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