恋も試合も全力で!【番外編】
「だって、いつもと変わんないじゃん…」
確かに、最近のデートはずっと家だ。
今だって、俺の部屋だし。
「じゃあどこ行くんだよ?」
考えるのが面倒になった俺は、綾子に考えを委ねた。
「うーん………槇、車出してよ」
「嫌。あんな渋滞の中、運転出来っか」
一昨年のクリスマス、
初心者マークの俺は、渋滞に捕まり大変なことになった。
クリスマスなんかに、車出すもんじゃねぇ。
「ドライブしたかったのに…」
口を尖らせて、不満そうに言う綾子。
「あのなぁ、綾子? 2年前思い出してみ?
あれがドライブになったか?」
あまりの車の多さに、高校まで行って引き返してきたんだよな。
窓の外の景色は、見慣れた景色でちっとも面白くなかった。