恋も試合も全力で!【番外編】
3時間近くかけて、宿に着いた。
「やっと着いたー」
「お疲れ~、槇」
荷物を持って、旅館の中へと入った。
受付へと向かう。
「ご予約の山本様ですね」
50代ぐらいの女の人が、事務的に話す。
「希望があれば、貸切風呂の方も出来ますが…」
女の人がそう言った途端、あいていた手が繋がれた。
…これは、誘ってるんだな。
「綾子、どうする?」
にやっと笑った槇。
この顔を、裄と浅海にも見せてあげたいよ。
「どうする~? 一緒に入る?」
あたしも意地悪っぽく聞いてみる。
本当は、心臓バクバクだけど。
「せっかく温泉来たんだしさ、一緒に入ろうよ」
そう言う槇に、あたしは乗ってあげた。