片恋専門〜最強モテ子と落ちない彼 番外編〜
風子ちゃんは口に入れかけていた餃子をぽろっと落とした。
餃子は無残にもテーブルに叩きつけられ崩れた。

「・・餃子、落としたよ」

「落としたね。もったいない」

「さすがに食べたりしないよね?
なんか風子ちゃんやりかねないけど」

「食べないわよ」

「「・・・・」」

沈黙が長く続いた。
ような気がしただけで、実際はそんなでもないんだろう。

沈黙を破ったのは風子ちゃんだった。

「そっかー!! まさかの無自覚だったか。 なんか、三浦くんのこと誤解してたよ、私は」

「何だよ、それ?」

「いやー、イケメンだしいかにも遊び慣れてそうな感じだからさ。 そんな純粋な恋をしてるとは思ってなかったよ」

「ん〜、純粋かどうかは知らんけど。

そんなはっきり好きだと思ってたわけじゃないんだよな。
知り合った頃には既にあいつは高村に惚れてたし、高村もわかりにくいけどまりあを気にかけてたからさ。
そのうち、付き合うんだろうなって俺はずっと思ってたし」

「切ないねぇ。 ちなみに高村くんは気がついてるのかな?
まりあは三浦くんの気持ちには一切気がついてないけど」

まりあはもてすぎるせいか、自分に寄せられる好意に無頓着だ。
高村は他人に興味がないわりには、結構鋭い。頭が良すぎるんだな、あいつは。


「これでいいのかって言われたよ」

「高村くんに? おぉー!! 強気だね。
三浦くんが参戦しても負けないってことかしら?」














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