何もない関係
デート
ユウとナツは水族館に来ていた。
本当は付き合っているときに来たかった場所だ。
別れてからのデートなんて寂しすぎるだけだ。
だが、なんだかんだで二人共楽しみにしていた。
別れてから逢うのは10日ぶりなのだから。
だが、ナツは機嫌が悪い。
さっきからユウに「帰ろうか?」と、言っている。
「大丈夫だよ」と、笑顔で返すが、全然大丈夫に見えない。
それはそのはず。
ユウは、ナツとデートをするにも関わらず、前日、友達の家でゲームをしていた。
朝方、自分家に帰宅し、ナツが迎えにきた。
そして、今に至るというわけだ。

「あれだけ、寝てねって言ったのに」

「だって、ゲームしちゃうと止まらなくて。それに夜中雨降ってて帰れなかったんだもん」

「傘借りてくれば良かったでしょ」

「傘がないって言われたんだもん」

「雨に濡れてもいいから、帰ってすぐお風呂に入れば良かったでしょ」

「そうしようと思ったけど、ゲームしようって誘われたんだもん」

「それでやったのね」

「朝に帰って寝ればいいかなって」

「それで、寝れたの?」

「いや、このまま寝ると起きれないって思ったから、ずっと起きてた」

「つまり徹夜ってこと?」

「そうですね~」

「もう、いい…」
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