先生と私



ゆいと初めて会ったときのことを、わたしは今でも鮮明に覚えている。




桜が舞う、暖かい春の日のことだった。





私立月見川女子中学校は、ほとんどの子が付属の小学校から上がってきている中、わたしは外部生だったので、入学式の日はすごく緊張していた。




「1年A組、か…」




クラスを確認した後、わたしは校舎に入り教室を探した。




しかしさすが私立、校舎は想像以上に広く、わたしは完全に道に迷ってしまった。




そんな時だった。






「あなた迷子?」






そんな風にわたしに声をかけてくれた女の子がいた。





それがゆいだった。




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