先生と私
3月10日。
公立高校受験合格発表の日。
喜んで胴上げする人、悲しそうに帰っていく人、大勢の人が集っている中、わたしは胸をドキドキさせながら自分の番号を探した。
「……あった」
何度も見直した。
間違いなく自分の番号だった。
わたしはすぐに、親と友達に報告した。
もちろんゆいにも。
「………」
合格したとはいえ、複雑な気分だった。
東京はここからだと大分遠い。
高校生になったら、多分ゆいと会うこともないだろう。
自分で選んだ道とはいえ、やはり寂しい気持ちが大きかった。
やっぱり、あの子にこの想いを伝えよう。
わたしはそう決めた。