先生と私
「ごめん。でも全部僕のせいだから……。あの子が自殺したのも、こうやって君を不幸に追いやってしまったのも、全部僕のせいだから」
「それは…」
「……こういう人間なんです、僕は。心の冷たい、君を幸せにする資格なんてない人間なんです」
さようなら。
そう言い、先生は行ってしまった。
ああ、やっぱりわたしに止めることなんてできないんだろうか。
大好きなのに。
本当に大好きなのに。
あなたがいない世界で、わたしは一体どうやって生きていけばいいの。
"どうか幸せになってください"
あの手紙にはそう書かれていた。
幸せ。
幸せって何なんだろう。
わたしの幸せは……
そうだ。
わたしの幸せは、先生の幸せだ。
好きな人が笑っていてくれたら…わたしは全部、それで良い。
きっとあの子も、わたしの幸せを望んでくれたんだろう。
だからきっとあの道を選んだのだ。
だから……やっぱりダメだ。
わたしが止めないと。
最低最悪の手段がわたしの頭に浮かんだ。