先生と私
わたしはあの頃と全く同じように、ドアをノックした。
「どうぞ」と、中から声が聞こえる。
ガチャリとドアを開くと、そこには、窓の前に立っている先生の姿があった。
わたしに背中ばかり向けてた頃とは違って、わたしの方を真っ直ぐ見つめている。
いつもと違う真剣なその眼差しに、わたしは思わずドキッとした。
先生は手に何か小さな箱を持っていた。
先生はわたしの前に跪き、その小さな箱をパカリと開けた。
そこに入っていたのは、小さなダイヤモンドがキラキラと輝く指輪だった。