こじらせ女子の恋愛事情
「松坂くん」

声をかけた私に、
「何ですか?」

それまで伸びをしていた松坂くんが私に視線を向けた。

「私、帰る」

そう言った私に、
「えっ…か、帰るって…?」

松坂くんは戸惑っていた。

人をバカにするのも大概にしろって言う話なんだよ。

行きつけの店を人質に取られた結果がこれですか?

口では卑下をするなとか何とか言ったくせに、本当はそうやって私のことを見下していたんでしょ?

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。

海、嫌いだったんですか?

嫌いだったなら…」

「そう言うことを言ってる訳じゃないのよ」

松坂くんの話をさえぎるように私は言うと、車から離れようとした。
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