こじらせ女子の恋愛事情
「待ってください。

ここから最寄りの駅へ歩いて行ったとしても、大人の足でも3時間はかかりますよ?」

松坂くんは通せんぼをするように私の前に立った。

「運動不足なのでおおいに結構ですけど」

その代わり筋肉痛にはなるかも知れないけど、そっちの方がずーっとマシだ。

「じゃあ、何が気にいらないんですか?

俺、ここにくるまでに何か気にさわるようなことをしましたか?」

充分…いや、それ以上と言ってもいいくらいに私の気にさわることをしているんですけど。

「そこ退いてくれる?

3時間もかかるんだったら早く帰りたいんですけど」

そう言った私に、
「じゃあ、せめて何が気にいらなかったのか教えてください。

車酔いをするのに、車で迎えにきたことが嫌だったんですか?」

松坂くんが聞いてきた。
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