こじらせ女子の恋愛事情
5日ぶりの外の空気は、まだ冷たかった。

温かい場所にひきこもっていたせいか、ものすごく躰に応えた。

早足でハワイアンカフェに入ると、
「あったか~い…」

程よく効いている暖房に、ホッと息を吐いた。

いつもの指定席へと向かおうとしたら、
「浜崎さん」

ゲッ…!

聞き覚えのあるその声に名前を呼ばれて視線を向けると、松坂くんだった。

クソッ、何できているんだよ。

心の中で毒づいたのに、
「そんな露骨に嫌な顔をしないでくださいよ」

松坂くんはやれやれと息を吐いた。

そこにテメーがいるんだから嫌な顔をするに決まってるだろ。

口で言う代わりに心の中で言ったら、
「おじさん、大丈夫でした?」

松坂くんが聞いてきた。
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