こじらせ女子の恋愛事情
本屋の店頭に私の作品が並んでいる…!

発売日当日、私は所属しているゼミの講義を休んで本屋へと足を向かわせた。

店頭で平積みされている浜崎じゅん名義の本に、私は感動のあまり、スマートフォンで写真を撮った。

しかも少しだけ――本屋が何冊並べたのかはわからないけど――売れているんじゃないか?

平積みされている本の前でスマートフォンを持って感動をしている私は、周りから見たら奇妙な光景だったかも知れない。

夢でもなければ、間違いでもない。

もちろん、ドッキリでもない。

「よかった…」

指先で表紙をなでながら、私は呟いた。

高校生の頃から小説を書き続けてきた甲斐があったと、心の底から思った。
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