こじらせ女子の恋愛事情
ひっく…と声を出して泣き出してしまった松坂くんに、私はどうすればいいのかわからない。

「えっと、その…」

もう何で泣いてるのよ~!

こっちまで泣きそうになった時、
「僕、つらかった…。

友達や先生に相談することができなくて、つらかった…。

友達はお父さんと仲良しなのに、僕はお父さんに好かれていなくて…」

松坂くんは泣きながら言った。

そうか、松坂くんは苦しかったんだ。

誰にも相談できずに、お母さんと一緒に戦ってきたんだ。

1人で苦しかっただろうに。

1人でつらかっただろうに。

何より、泣きたかっただろうに。

そんな彼の気持ちが私に痛いほどに伝わってきた。

「うん、つらかったね。

でもこれからはもう大丈夫だよ」

私はジーンズのポケットからハンカチを取り出すと、松坂くんに渡した。
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