こじらせ女子の恋愛事情
「横井さんと焼き肉デートをしたって言うのは…?」

そう聞いた私に、
「それを言われたのが会社内で、それも昼休みだったので、会社の終わりに話をするために彼女を焼き肉店に連れて行っただけです。

ヨリを戻すとかって言う話はちゃんと断りました。

横井さんとはそれっきりです」

松坂くんは答えた。

「どうして断ったの?」

そう聞いた私に、松坂くんはそれまで顔を隠していたファイルを退けた。

私を見つめると、
「あなたと言う好きな人がいるのに、他の人とつきあえる訳がないでしょ」
と、言った。

その瞬間、私の心臓がドキッ…と鳴った。
< 170 / 183 >

この作品をシェア

pagetop