こじらせ女子の恋愛事情
「私は忘れていたのよ?」

そう言い返したら、
「そうやって卑屈になって、自分を卑下するのはやめてください。

と言うか、いつからそうなったんですか?

昔はそうじゃなかったのに」

松坂くんに言い返された。

「人生を長く生きてりゃ、誰だって慎重になるっつーの。

あの時は私もまだ若かったから、多少のわがままはできたの」

「と言うか、その口の悪さはいつから何ですか?」

…それは嫌みでしょうか?

ジロッと松坂くんをにらんだら、
「すみませんすみません」

慌てたように彼は謝った。
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