こじらせ女子の恋愛事情
これは巻き込まれると面倒だ。

とっとと戻ろう。

そう判断した私は給湯室の前から立ち去った。

部署へと戻ると、
「おーい、松坂」

書類を片手に課長が呼んでいた。

私は部署内を見回した。

課長が探している松坂和久(マツザカカズヒサ)くんはいなかった。

彼は私とは3歳年下の後輩の男の子だ。

トイレにでも行っているのかな?

そう思いながら椅子に腰を下ろすと、松坂くんが入ってきたのが見えた。

1度もカラーリングをしたことがなさそうな短髪の黒髪に、俳優のように整った顔立ち。

180センチ近くある長身で、まるでモデルのようにスーツを着こなしている。
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