こじらせ女子の恋愛事情
関口女史が指定した店は、最近オープンしたばかりのモツ鍋店だった。

「えーっと…」

昨日関口女史からきたメールに添付されていた地図を見ながら、店を探した。

「あっ、ここだ」

地図に書いてある店名と位置を確認すると、ガラガラと引き戸を開けた。

「いらっしゃいませ」

着物姿のかわいらしい女性店員が出迎えてくれた。

「あの、関口で予約をしているもので…」

そう言った私に、
「かしこまりました。

ご案内いたします」

彼女は首を縦に振ってうなずくと、私を案内してくれた。

へえ、個室になっているのか。

確かに、秘密の話をするには持ってこいの場所だ。
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