こじらせ女子の恋愛事情
店に入るまではあったはずだ。

メールに載っていた地図を頼りにここまできたのだ。

だから会社に忘れてきたと言うことはない。

「コートか服のポケットは確かめましたか？」

関口女史に言われた私は返事をすると、スカートのポケットを確かめた。

入っていない…となると、残りはコートか。

コートのポケットに手を入れると、
「ありました！」

そこからスマートフォンが出てきたことが嬉しくて、関口女史に声をかけた。

「すみません、お騒がせをしました」

そう言った私に、
「見つかってよかったですね」

関口女史は共感をするように言った。

「ありがとうございます。

えーっと…」

メモ帳のアプリを起動させると、スマートフォンを関口女史に見せた。
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