こじらせ女子の恋愛事情
クソ、今度は追いかけてきやがった。

「あのさ、ついてこないで欲しいんだけど」

私は言った。

悪い噂でも立てられたらたまったもんじゃない!

「すみません…」

松坂くんは謝ると、さっききたばかりの道を戻って行った。

全く、一体何だって言うのかしら?

「まさか、バツゲームで私に近づいてるって言う訳じゃないよね?」

あのまじめ人間に近づいて、食事に誘ってこいみたいな感じで。

「考え過ぎか」

私は首を横に振った。

職業病もここまでくるとひどいなと、自分でも思う。

「あっ、お昼食べに行かなくっちゃ」

書き下ろしの話を考えるために外へ出たことを思い出し、私は飲食店街へと足を向かわせた。
< 70 / 183 >

この作品をシェア

pagetop