こじらせ女子の恋愛事情
「いや、メニューくらい教えてもいいじゃないですか。

俺、ここへきたの初めてなんですから…」

「お待たせしました、フリタータとストロベリーラテです」

店員が先ほど頼んだメニューを運んできた。

「すみません、彼女と同じもので」

松坂くんは私の前に置かれたそれらを指差すと、店員に注文した。

「はい、かしこまりました」

店員はペコリと頭を下げると、去って行った。

はあ!?

私は大声を出して、手に耳を当てて聞き返したくなった。

何が悲しくて、このクソチャラ男と同じものを食べないといけないんですか!?

「浜崎さん、オムレツが冷めちゃいますよ」

松坂くんに言われた。

「これはオムレツじゃなくて、フリタータと言う食べ物ですけど!」

私は言い返すと、フリタータを口に入れた。
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