【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「美姫、本当に送って行かなくて大丈夫?俺、別に眠くないよ?」
同じ高校、同じ英文科に通う片山蒼次郎(かたやまそうじろう)は心配そうに言って来る。
言葉とは裏腹に、セックス後の独特のけだるそうな足つきに、とろんと眠そうな瞼の蒼次郎。
「大丈夫だよ。そんなにここから遠くないしさ!じゃあ、また明日学校でね」
そんな蒼次郎に、私は営業スマイルを向けて背を向けた。
私は本当は私は明るい人間なんかじゃない。笑うより無表情で居る事の方が楽だし、喋って声を出す事だって億劫でたまらない。
おまけに他人には興味ないし、自分が一番大切で、だから一人にならないっていう、ずる賢い奴。
個性を主張して孤立するのは嫌な臆病者。そんなの、本当は目立ちたいだけじゃない、なんてそんな人達を心の奥では見下している。
そんな私に、多分親でさえ気付いていないと思う。私しか知らない私。
どうしようもなく汚くて、同い年の子達が子供に見えてしまう、そんな本当の私。
同じ高校、同じ英文科に通う片山蒼次郎(かたやまそうじろう)は心配そうに言って来る。
言葉とは裏腹に、セックス後の独特のけだるそうな足つきに、とろんと眠そうな瞼の蒼次郎。
「大丈夫だよ。そんなにここから遠くないしさ!じゃあ、また明日学校でね」
そんな蒼次郎に、私は営業スマイルを向けて背を向けた。
私は本当は私は明るい人間なんかじゃない。笑うより無表情で居る事の方が楽だし、喋って声を出す事だって億劫でたまらない。
おまけに他人には興味ないし、自分が一番大切で、だから一人にならないっていう、ずる賢い奴。
個性を主張して孤立するのは嫌な臆病者。そんなの、本当は目立ちたいだけじゃない、なんてそんな人達を心の奥では見下している。
そんな私に、多分親でさえ気付いていないと思う。私しか知らない私。
どうしようもなく汚くて、同い年の子達が子供に見えてしまう、そんな本当の私。