【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
中学校の頃からの同級生であり彼氏の蒼次郎の家から私の家までは歩いて十五分ほどの近所にある。
大通りを避けて遠回りするように人気のない裏道を通ると、ひっそりと存在する公園が見えて来る。
陰気で湿っぽい。まるで、仮面を取った本当の私みたいな公園だ。
寂れて、子供でさえ近寄らないその公園は、私が一番私であれる場所。ここには世界にはまるで私独りしかいないような感覚になれる呪いがかかっているのだろう。
私はこっそり持ち歩いていた煙草とライターを取り出して、そっと火をつけた。
煙草の味が好きってわけじゃないんだ。ただ、落ち着く。煙草の火は小さくて、すぐなくなって儚い。
その小さな灯火が灰になり消えて無くなるのを見ていると、身体の力が抜ける気がするんだ。
私なんていう何でもない存在を示しているような気がして、それでも良いような気がして、全てのしがらみからそっとフェードアウトして良いような気がして。
言い表せない快楽と、罪悪感と倦怠感と背徳感が、私の中にぐるぐると螺旋を造り、巡る。
大通りを避けて遠回りするように人気のない裏道を通ると、ひっそりと存在する公園が見えて来る。
陰気で湿っぽい。まるで、仮面を取った本当の私みたいな公園だ。
寂れて、子供でさえ近寄らないその公園は、私が一番私であれる場所。ここには世界にはまるで私独りしかいないような感覚になれる呪いがかかっているのだろう。
私はこっそり持ち歩いていた煙草とライターを取り出して、そっと火をつけた。
煙草の味が好きってわけじゃないんだ。ただ、落ち着く。煙草の火は小さくて、すぐなくなって儚い。
その小さな灯火が灰になり消えて無くなるのを見ていると、身体の力が抜ける気がするんだ。
私なんていう何でもない存在を示しているような気がして、それでも良いような気がして、全てのしがらみからそっとフェードアウトして良いような気がして。
言い表せない快楽と、罪悪感と倦怠感と背徳感が、私の中にぐるぐると螺旋を造り、巡る。