【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
動けないでいる私を見つめて微笑んだ彼は、唇を尖らせて甘い音を吐く。
「たまたま見ていたのが僕だったから良かったもののダメですよ?少しは控えなきゃ。まぁ出来れば、止めるのが一番なんですけどね」
頭ごなしにしかるでもない。止めろと言うでもない。変わった大人だ。こんな大人がいるなんて思わなかった
「貴方、変な大人ですね。普通喫煙者だろうが叱りません?」
「そうですか?僕は怒ることだけがその人の為になるとは思いませんけど」
爽やかな笑顔。穏やかな物腰。思わず力が抜けてしまうような人。
「僕には君の方が変な子供に見えます。君みたいな子は、きっと普段明るく振る舞うから、こうやって疲れるのでしょうね。どこかで魂さえ抜け出るような瞬間を欲しているのかも」
……そして、こんな短時間で、本質を見抜いてしまう、怖い人。
出会って数分も経たないのに、私の中身はこの人に丸裸にされてしまう。それは親さえ気付いてないない本質的な私の筈なのに。
「たまたま見ていたのが僕だったから良かったもののダメですよ?少しは控えなきゃ。まぁ出来れば、止めるのが一番なんですけどね」
頭ごなしにしかるでもない。止めろと言うでもない。変わった大人だ。こんな大人がいるなんて思わなかった
「貴方、変な大人ですね。普通喫煙者だろうが叱りません?」
「そうですか?僕は怒ることだけがその人の為になるとは思いませんけど」
爽やかな笑顔。穏やかな物腰。思わず力が抜けてしまうような人。
「僕には君の方が変な子供に見えます。君みたいな子は、きっと普段明るく振る舞うから、こうやって疲れるのでしょうね。どこかで魂さえ抜け出るような瞬間を欲しているのかも」
……そして、こんな短時間で、本質を見抜いてしまう、怖い人。
出会って数分も経たないのに、私の中身はこの人に丸裸にされてしまう。それは親さえ気付いてないない本質的な私の筈なのに。