【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
裏側まできっちりチェック項目を調べ、裏口から中へ入るとギャーギャーと騒ぐ声がする。


「なんだよてっちーの遅漏!あのAVですぐ勃たないなんてありえない!」


「はぁん!?エディお子様だよな!やっぱり俺の方が大人なんだよ、歳もアッチもな!」


朝から下品な話をしているのはお子様のテツとエディ。私より年下だから仕方ないのか。


「おいこらー、美姫が見てるぞ!早く掃除しなさいよな。恥ずかしい!」


そんな二人を注意する大喜さんと黙々と作業をするマサト。この光景にも、なんだか親しみを感じて来た。


「おはよ、美姫。いつもあいつらが下品でゴメンな?」


「いえ。お子様二人なのでしょうがないでしょう」


話しかけて来た大喜さんにそう返すと大喜さんもあはは、と困ったように笑った。


私はチェックリストの一番下の備考の欄に『テツ・エディ、オープン作業不真面目』と記入した。


これに目を通した零さんは、きっと二人に何らか意地悪をするだろう。そう思うと少し不憫だが、お金をもらっている身だから揉み消すわけにはいかないし、まあしょうがないだろう、と思いつつ次に移った。
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