総長と女番長 ~ときどきお兄ちゃん~
うん、まぁ何て言うか…俺の親友がねー会社立ち上げてんのよ。そこで、俺を雇ってもいいって言ってくれてて…。父さんが回復したらでいいからいつでも連絡して。って…回せるけど、お前の居場所は確保する!!お茶汲みと俺の話し相手が出来れば充分だからって言ってくれてるんだよね
と浩紀兄さんは言った。
そっか、良かった…なんて声を揃える私たち兄妹。
お母さんも笑っていた。
じゃ、俺帰るから…と立ち上がった浩紀兄さん、俺も帰るとお兄ちゃんも立ち上がった。
そして、二人は一緒に去っていった。
二人はどんな会話をしたのだろう…気になるけど、どうか、喧嘩だけはしませんように…
私はシャワー入って、髪を乾かして寝た。
翌朝ーあまり目覚のいい朝ではなかった。
けど、私は目を擦りながらカーテンを開けるー
鳥のさえずりと、朝陽に体は少しづつ朝を感じる。
特攻服に手を通して階段を降りるーいつもと変わらない。
朝食を食べて、お弁当を鞄にぶちこむと、家を出た。
いつもより足が妙に重い…何でだろう?
ゆっくり歩いてみた。しばらくして学校について、グランドを歩くー
気配を感じて振り返った。
かっ、会長!?
慌てて挨拶すると、笑いながらおはよーなんて言ってくれる。
通りすぎる時、肩に置かれた手の意味を理解出来ていない私。
思わず赤面し、ポーと、見惚れていると、殺気だったもうひとつの空気に背筋が伸びた。
あっ、結城!?
おはよーなんてね。いつも言ってくれるから、今日は先に言ってみた。
おはようと返してくれるけど、なんか怖い…。
どしたの?と聞いてみた。
別に。
何それ!?明らかに機嫌悪くない?
最近会長と仲良いね?って笑ってる。
私は、はてなマークばかりが浮かんでる。
何なの!!ホントに…。
横を歩こうとしたら避けられた。
何で急に…?今までウザいくらい隣歩いてたクセに…。
私は少し拗ねるように重い足取りで教室に向かった。
何だろう…この違和感…教室もおかしい?
辺りを見渡す。けど、特段おかしそうなところは見当たらない。
けど、重い空気…。
いや、私の心が重いのか?わからない。
HomeRoomが終わって授業が始まった。
相変わらず訳のわからない…。ヤル気がない。
寝ることすら億劫。
教室を出た。屋上に行くべきか、悩んだが、私が向かったのは保健室。
気づけば保健室の前に立っていた。
ドアをノックして仲に入った。
会長がいた。
かっ、会長、何でいるんですか?と私、
具合悪くてね?なんて言いながらかなり元気そうだけど…。
そうですか…私も休んで良いですか?朝からホントに体調優れなくて…
と私が言うと、もちろん、君の方が体調悪そうだねなんて。
居心地の悪いような…良いような…よくわからないけど、とにかく休ませてもらうことにした。
私はベットに横になった。
会長はそんな私を脇で椅子に座りながら見下ろすと、こんなことを言い出した。
最近、総長が機嫌悪いのって、多分俺が君にベタベタしてるからでしょー。
俺ね、思ったんだけど…両想いの二人が引っ付かないのって贅沢だと思うんだよね。だから…ちょっといじわるをね…。妬かせて絞めてやろうかと…。
そのうち、俺になんか言ってくると思うし…そしたら君にもちゃんとコクれるんじゃないかと…お節介でゴメンね。
なんて。
会長、そんなこと思ってくれてたんだ。
ありがとう。
私は小さくありがとうと言った。
会長が笑ってくれたのは背中で感じた。
私はそのまま眠ってしまったようだ。
いつのまにか、会長はいなかった。
そのかわり、結城が脇に座ってた。
私の顔を心配そうに眺めている。
体調悪かったなら、無理して学校来なくて良かったのに…
そんな結城の声が聞こえた。
私は結城の方に目を向けた。けど、重い体は言うことを聞いてくれない。
大丈夫?なんて言われて…小さく頷いたけど…結城は気付いてるみたい。
熱あったよ…なんて言われた。
気づかなかったーだから、体重かったんだ。
ゴメン…心配かけて…。
結城は何も言わず、ただ横にいてくれた。
結城の顔を見つめながら考えた。けど、頭はやっぱり回らなくて…うまい言葉は出てこない。
何時間目?と聞くと…結城は少し間を開けて深呼吸してから放課後だよと言った。
嘘!?私、そんなに寝てたの…なんて思ってると、ゴメン、嘘、昼飯…と言った。
私は体を起こそうとした。けど、うまく起きれない。
結城が手伝ってくれた。
ありがとう…。
どうする?帰る?と聞いてくれる結城。
言葉は出てこない。飯食う?と聞いてくれる。頷けば、待ってて、弁当取ってくるって去っていった。
せっかく起こした体をもう一度倒すわけにもいかず、座っていた私。
そこに会長が様子を見に来てくれた。
どう具合は?と聞いてくれる。
少し落ち着きましたと小さくかすれた声で言えば、そうか。無理すんなよと言ってくれた。
俺さ、マジで思ってけど、お前ほどいい人でいい女は出逢ったこと無いんだよね。
マジで好きになりそうでさ…本気なったらゴメンな?
なんて言ってくれた。
まだボーッとしてる頭では会長のその言葉の意味は理解出来なかった。
そこに結城が戻ってきた。
会長…何でいるんっすか!?とにらみを聞かせる結城に、
可愛い後輩を心配して様子を見に来ただけだよ。そんなに睨まないでよ?と笑うと、
じゃ、ジャマ者は退散するよ。またねーと言って会長は去っていった。
大丈夫か?会長になんか、言われた?と心配してくれる結城。
大丈夫…とだけ返事した。
頭は重く、体はダルい。話すのも億劫…。
それでも気遣って横にいてくれる結城…なんか、申し訳なくて…泣きそうになる。
とりあえず、結城が持ってきてくれたお弁当を食べ始める。
けど…箸も上手く使えない。そんな様子を見かねた結城は
ほら、あーんして。俺が食べさせてやるから…なんて言ってくれる。
マジ、超恥ずい…しかも、顔近いし…私は熱で赤くなってる顔をさらに赤くしながら、言われた通りに口を開けた。
優しく口の中に入れてくれる結城。噛むのも億劫だけど、結城の優しさに思わず体は素直に反応し、食事をする。
何とか完食することが出来た私の横で、結城は自分のお弁当を食べ始めた。
私が完食出来たことにほっとしているようだった。
もう帰ろうよ?って言ってくれた。私は首を横に振った。
まだいたいの?って…。
お兄さんに連絡して迎えに来てもらいなと言われた。
頷く私。早速ケータイを出すと、浩紀兄さんにメールした。
何となくお兄ちゃんに連絡するのは嫌で…。
返信はすぐにあった。
すぐ行くから待っててって。結城にその事を伝えると、
良かった。ホントに…ゆっくり休んで?絶対無理しちゃダメだよ!!って言われた。
私は頷いた。
結城は自分のお弁当を食べ終えた後も私の横にいてくれた。
しばらくして、浩紀兄さんが、迎えに来てくれた。
唯、大丈夫か!?って。血相変えて…なんか少し笑えた。
ゴメンね。って謝ると、いいよ、気にすんなと笑ってくれた。
結城だっけ?唯のそばに居てくれてありがとうな。コイツはちゃんと責任もって連れて帰るから…と浩紀兄さんは結城に言うと、私をお姫様だっこで抱き上げると、結城から鞄を受け取り、そのまま車まで運んでくれた。
恥ずかしいから降ろして…と何度も抵抗してみたが、かなりの力で抑え込まれた。
そして、そのまま車に運ばれた。
私を助手席に座らせシートベルトをしめると、浩紀兄さんは運転席に座り、シートベルトをしめた。
そして、エンジンをかけるとゆっくり車は動き出した。
ボーッとする頭…焦点の合わない視界…何も言わず私はただ外を見ていた。
数分後、家についた。
私はシートベルトを外して降りようとした。
けど、浩紀兄さんはそれを制して、運転席を降りて私側に回ると、ドアを開けて、私を抱き上げた。
そして、そのまま降ろされる。
玄関のチャイムを鳴らす、浩紀兄さん、
はーいと出てきてくれるお母さん…。
どしたの!?と心配そうに声をかけてくれるけど…何にも返せない私。
浩紀兄さんが、熱で休んでたみたいなんだけど…迎えに来てくれって言われて…と事情を説明してくれた。
とりあえず、中に入った。
浩紀兄さんは2階の私の部屋のベットまで運んで寝かせてくれた。
お母さんが、濡れタオルと体温計を持ってきてくれた。
じゃ、俺、帰るよ、なんかあったらいつでも言って。一応、あの人には俺から連絡入れとくから…と浩紀兄さんは言うと、去っていった。
と浩紀兄さんは言った。
そっか、良かった…なんて声を揃える私たち兄妹。
お母さんも笑っていた。
じゃ、俺帰るから…と立ち上がった浩紀兄さん、俺も帰るとお兄ちゃんも立ち上がった。
そして、二人は一緒に去っていった。
二人はどんな会話をしたのだろう…気になるけど、どうか、喧嘩だけはしませんように…
私はシャワー入って、髪を乾かして寝た。
翌朝ーあまり目覚のいい朝ではなかった。
けど、私は目を擦りながらカーテンを開けるー
鳥のさえずりと、朝陽に体は少しづつ朝を感じる。
特攻服に手を通して階段を降りるーいつもと変わらない。
朝食を食べて、お弁当を鞄にぶちこむと、家を出た。
いつもより足が妙に重い…何でだろう?
ゆっくり歩いてみた。しばらくして学校について、グランドを歩くー
気配を感じて振り返った。
かっ、会長!?
慌てて挨拶すると、笑いながらおはよーなんて言ってくれる。
通りすぎる時、肩に置かれた手の意味を理解出来ていない私。
思わず赤面し、ポーと、見惚れていると、殺気だったもうひとつの空気に背筋が伸びた。
あっ、結城!?
おはよーなんてね。いつも言ってくれるから、今日は先に言ってみた。
おはようと返してくれるけど、なんか怖い…。
どしたの?と聞いてみた。
別に。
何それ!?明らかに機嫌悪くない?
最近会長と仲良いね?って笑ってる。
私は、はてなマークばかりが浮かんでる。
何なの!!ホントに…。
横を歩こうとしたら避けられた。
何で急に…?今までウザいくらい隣歩いてたクセに…。
私は少し拗ねるように重い足取りで教室に向かった。
何だろう…この違和感…教室もおかしい?
辺りを見渡す。けど、特段おかしそうなところは見当たらない。
けど、重い空気…。
いや、私の心が重いのか?わからない。
HomeRoomが終わって授業が始まった。
相変わらず訳のわからない…。ヤル気がない。
寝ることすら億劫。
教室を出た。屋上に行くべきか、悩んだが、私が向かったのは保健室。
気づけば保健室の前に立っていた。
ドアをノックして仲に入った。
会長がいた。
かっ、会長、何でいるんですか?と私、
具合悪くてね?なんて言いながらかなり元気そうだけど…。
そうですか…私も休んで良いですか?朝からホントに体調優れなくて…
と私が言うと、もちろん、君の方が体調悪そうだねなんて。
居心地の悪いような…良いような…よくわからないけど、とにかく休ませてもらうことにした。
私はベットに横になった。
会長はそんな私を脇で椅子に座りながら見下ろすと、こんなことを言い出した。
最近、総長が機嫌悪いのって、多分俺が君にベタベタしてるからでしょー。
俺ね、思ったんだけど…両想いの二人が引っ付かないのって贅沢だと思うんだよね。だから…ちょっといじわるをね…。妬かせて絞めてやろうかと…。
そのうち、俺になんか言ってくると思うし…そしたら君にもちゃんとコクれるんじゃないかと…お節介でゴメンね。
なんて。
会長、そんなこと思ってくれてたんだ。
ありがとう。
私は小さくありがとうと言った。
会長が笑ってくれたのは背中で感じた。
私はそのまま眠ってしまったようだ。
いつのまにか、会長はいなかった。
そのかわり、結城が脇に座ってた。
私の顔を心配そうに眺めている。
体調悪かったなら、無理して学校来なくて良かったのに…
そんな結城の声が聞こえた。
私は結城の方に目を向けた。けど、重い体は言うことを聞いてくれない。
大丈夫?なんて言われて…小さく頷いたけど…結城は気付いてるみたい。
熱あったよ…なんて言われた。
気づかなかったーだから、体重かったんだ。
ゴメン…心配かけて…。
結城は何も言わず、ただ横にいてくれた。
結城の顔を見つめながら考えた。けど、頭はやっぱり回らなくて…うまい言葉は出てこない。
何時間目?と聞くと…結城は少し間を開けて深呼吸してから放課後だよと言った。
嘘!?私、そんなに寝てたの…なんて思ってると、ゴメン、嘘、昼飯…と言った。
私は体を起こそうとした。けど、うまく起きれない。
結城が手伝ってくれた。
ありがとう…。
どうする?帰る?と聞いてくれる結城。
言葉は出てこない。飯食う?と聞いてくれる。頷けば、待ってて、弁当取ってくるって去っていった。
せっかく起こした体をもう一度倒すわけにもいかず、座っていた私。
そこに会長が様子を見に来てくれた。
どう具合は?と聞いてくれる。
少し落ち着きましたと小さくかすれた声で言えば、そうか。無理すんなよと言ってくれた。
俺さ、マジで思ってけど、お前ほどいい人でいい女は出逢ったこと無いんだよね。
マジで好きになりそうでさ…本気なったらゴメンな?
なんて言ってくれた。
まだボーッとしてる頭では会長のその言葉の意味は理解出来なかった。
そこに結城が戻ってきた。
会長…何でいるんっすか!?とにらみを聞かせる結城に、
可愛い後輩を心配して様子を見に来ただけだよ。そんなに睨まないでよ?と笑うと、
じゃ、ジャマ者は退散するよ。またねーと言って会長は去っていった。
大丈夫か?会長になんか、言われた?と心配してくれる結城。
大丈夫…とだけ返事した。
頭は重く、体はダルい。話すのも億劫…。
それでも気遣って横にいてくれる結城…なんか、申し訳なくて…泣きそうになる。
とりあえず、結城が持ってきてくれたお弁当を食べ始める。
けど…箸も上手く使えない。そんな様子を見かねた結城は
ほら、あーんして。俺が食べさせてやるから…なんて言ってくれる。
マジ、超恥ずい…しかも、顔近いし…私は熱で赤くなってる顔をさらに赤くしながら、言われた通りに口を開けた。
優しく口の中に入れてくれる結城。噛むのも億劫だけど、結城の優しさに思わず体は素直に反応し、食事をする。
何とか完食することが出来た私の横で、結城は自分のお弁当を食べ始めた。
私が完食出来たことにほっとしているようだった。
もう帰ろうよ?って言ってくれた。私は首を横に振った。
まだいたいの?って…。
お兄さんに連絡して迎えに来てもらいなと言われた。
頷く私。早速ケータイを出すと、浩紀兄さんにメールした。
何となくお兄ちゃんに連絡するのは嫌で…。
返信はすぐにあった。
すぐ行くから待っててって。結城にその事を伝えると、
良かった。ホントに…ゆっくり休んで?絶対無理しちゃダメだよ!!って言われた。
私は頷いた。
結城は自分のお弁当を食べ終えた後も私の横にいてくれた。
しばらくして、浩紀兄さんが、迎えに来てくれた。
唯、大丈夫か!?って。血相変えて…なんか少し笑えた。
ゴメンね。って謝ると、いいよ、気にすんなと笑ってくれた。
結城だっけ?唯のそばに居てくれてありがとうな。コイツはちゃんと責任もって連れて帰るから…と浩紀兄さんは結城に言うと、私をお姫様だっこで抱き上げると、結城から鞄を受け取り、そのまま車まで運んでくれた。
恥ずかしいから降ろして…と何度も抵抗してみたが、かなりの力で抑え込まれた。
そして、そのまま車に運ばれた。
私を助手席に座らせシートベルトをしめると、浩紀兄さんは運転席に座り、シートベルトをしめた。
そして、エンジンをかけるとゆっくり車は動き出した。
ボーッとする頭…焦点の合わない視界…何も言わず私はただ外を見ていた。
数分後、家についた。
私はシートベルトを外して降りようとした。
けど、浩紀兄さんはそれを制して、運転席を降りて私側に回ると、ドアを開けて、私を抱き上げた。
そして、そのまま降ろされる。
玄関のチャイムを鳴らす、浩紀兄さん、
はーいと出てきてくれるお母さん…。
どしたの!?と心配そうに声をかけてくれるけど…何にも返せない私。
浩紀兄さんが、熱で休んでたみたいなんだけど…迎えに来てくれって言われて…と事情を説明してくれた。
とりあえず、中に入った。
浩紀兄さんは2階の私の部屋のベットまで運んで寝かせてくれた。
お母さんが、濡れタオルと体温計を持ってきてくれた。
じゃ、俺、帰るよ、なんかあったらいつでも言って。一応、あの人には俺から連絡入れとくから…と浩紀兄さんは言うと、去っていった。