総長と女番長 ~ときどきお兄ちゃん~
五時間目、ダリい…ねみぃ、と思いながら、ボーと椅子に座ってた私だけど、急に走りたい衝動にかられた。

なぜかわからない。気づけば立ち上がってた。そして、教室を飛び出している。

かと思えば、グランドに出て走り始めた。

うぉーとか奇声をあげながら。


みんなが私に注目している。

窓際のやつなんか、私に見いってる。

私もバカだ。何で授業中に一人、グランド走ってんだろう…。

そんなことはどうでもいい…ただ走りたいから走ってるのだ。


チャイムがなった。少しスッキリして教室に戻った。


結城が声をかけてくる。うざいのでガン無視。


私平然と六時間目を受けている。とは言っても寝てるだけなのだが…(笑)


HomeRoomが始まった。

私は一応起きてる。担任から嫌なお知らせがあった。

来週から中間テストが始まる…。

もうそんな時期か。なんて呑気に考えてた私、

赤点取ったやつは強制補習だからなと言われた。


マジかよ!?そんなの受けなくてもわかる。私は毎回赤点…。

もう一人、赤点に近いやつがいる。

結城だ。

結城の方を見れば、特に気にした様子はなかった。

何だよ、私だけかよ。とちょっと落ち込みそうになった。

その日は放課後になってすぐ家に帰った。


お母さんはいつもと変わらず優しい。私のことを理解してくれてる。

そんなお母さんを見ながら心で謝った。


今回も赤点取りそうでゴメンって。


夕食を食べた。私は何も考えずにソファーでスマホをいじってる。

おにぃちゃん、帰ってくるって…。

衝撃の事実を聞いた。私は言葉かでない。嬉しいような…切ないような…。

お母さんは笑ってた。そして、そんな顔しないの!!って言った。

どんな顔!?私、そんな嫌そうな顔をしてたんだろうか?

思わず両頬を触ったらさらにお母さんは笑った。

翌日、おにぃちゃんは帰ってきた。

その日から毎日ように勉強をさせられた。頭が狂いそう…。おにぃちゃんはいつも私のテストが近くなると帰ってきては、勉強を教えてくれる。

そんなことしてくれなくて良いのに…

もう無理…何度もそう思ったけど、やめてはくれなかった。
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