with you*初めて気付いたこの気持ち*
彼方は私を笑わせようと必死だった。

そういえば、
今はそうでもないけど、昔の私は泣き虫で
よく彼方が泣き止ませてくれたっけ?


ああ、やっぱり彼方が好きだ。



少し落ち着いてから事情を話すと彼方は笑った。

笑った。


…笑いすぎではないですかね?



「どじだなあ四葉は」


「うるさい」


「まあ、帰ってくるまで俺んちにいなよ」



そう言って扉を開けようとする…



「………………」


「もしかして、彼方も家は入れないの?」



すーっとゆっくり振り替えってうなずく彼方。


思い切り笑ってやった。



「ドジ彼方」


「うるさい、四葉もだろ!」



結局2人並んで階段に座り込む。

さっき勢い余ってしがみついてしまったことを思い出すと少し気まずかった。


私はどさくさに紛れてなんてことを…


それにしても



「「寒い」」


高校3年生が2人して何やってんだか

そんなことを考えていると突然彼方が立ち上がって



「そうだ!バドミントンやろう!」



とか言い出す。


どこにラケットとシャトルがあるんだよと呆れていると、物置小屋に駆けていって持ってきた。
< 15 / 24 >

この作品をシェア

pagetop