with you*初めて気付いたこの気持ち*
思考がついていけてなかった。
じゃあどうして彼方は好きでもない人と付き合ってるの?



「そもそも、彼方君に好きな人がいるのは知ってたわ。
だから言ったの

『その子の気持ちを確かめてみない?』

って。

もし彼方君が付き合ってるって知ったら、その子はどう思うんでしょうねって」



若干恐ろしく感じた。



「じゃあ金井さんは彼方のことは…」


「ううん、好きよ。
でも普通に告白したんじゃ無理なの分かってるから。

これだったら少しの間でも付き合えるかも知れないでしょ?賭けたの」



呆気にとられていた。
非現実的で何も言えなかった。


というか、どうして金井さんは私にこんな話を…?

私が幼なじみだから?
でもそんなの関係ないよね…?


そして最後にこう言った。



「知ってる?
付き合ってる間ね、彼方君私のこと1度も下の名前で呼んでくれないの、茉莉って。

好きな人しか下の名前で呼ばないんだって」



金井さんは帰っていった。



好きな人しか下の名前で呼ばない…



『四葉!』



あれ?

それじゃあ彼方は…


寒さのせいか、一気に熱を帯びた気がした。
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