with you*初めて気付いたこの気持ち*
次の試合の選手が呼ばれた。

彼方はコートの方へ向かった。

彼方を見送った金井さんがふとこちらを見て、にこりと笑って応援席へ戻った。



「ほんときれいな子、ありゃ人気があるわけだわ」


「そうだね、彼方にはもったいないくらい。
でもお似合いだよ」



私は綺麗でもないし可愛くもない…

そんなことを思っていると突然チョップをくらう。



「ったぁ…何すんの玲奈」



頭をおさえていると今度は首を絞…肩を組んでくる。



「馬鹿だねえあんたは。
大丈夫。四葉もちゃんと可愛いとこあるよ!」


「はあ?突然なんなの」



それに別にお世辞を言われたところで嬉しくない。



「鈍いなあ。いい加減気付けよ」



玲奈がぼそりと言った。
聞き返す前に背中を思い切り叩かれる。

いい加減に叩く癖はどうにかならないものか…


それで
何が鈍いというのだろう?


コートにいる彼方を見ると、何故か苦しくなる。

どうしてかな…
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