with you*初めて気付いたこの気持ち*
『お疲れさまでした~』



大会が終わって解散となる。
私は呼び掛ける彼方の声を無視してすぐに家に帰った。

大会の打ち上げ行きたかったなあ、引退だし…


ベッドに寝転がる。
このまま眠れそうだ。

…と、意識が遠退きかけたその時



ピンポーン



インターホンが鳴る。
誰が来たのだろう?

耳を済ませると母親と誰かが話しているのが聞こえる。



「あら彼方君、いらっしゃい。
四葉なら上にいるわよ」


「こんばんは!じゃあちょっとお邪魔します」



彼方?!
どうして?


階段を上がってくる音が聞こえて、咄嗟に電気を消して机の下に隠れた。



コンコン、ガチャ



「…あれ?四葉いないの?」



電気がつく。
極限まで息を潜める。

早く帰れ…!



「なんだ、いないのかあ」



扉がしまる音が聞こえた。
安心してため息をつく…



「なんちゃって☆」


「ぎゃああ」



とてつもなくひどい声が出たと思う。
やられた…
< 8 / 24 >

この作品をシェア

pagetop