with you*初めて気付いたこの気持ち*
「打ち上げは?」


「パスした。四葉帰っちゃうし」


「……」



大会優勝してるのに…

机の下から出てきて壁にもたれ掛かり膝を抱え込む。

我ながらだるまみたいだと思った。


彼方は正面に座り込む

近い…



「なあ四葉、何で最近避けるの?」


「別に、避けてな…」


「避けてんじゃん」



何も言えなくなる。

彼方を避けてるのは自覚してたけど、わざとではなかった。
どうしてか、体が勝手に動いてしまうのだ。



「…彼女いるのにこんなとこ普通に来てていいの?」


「幼馴染みの特権だもん」



ドキッ…


どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう?



「でも、幼馴染みって言ったって結局他人じゃん
彼方が付き合い始めたからなるべく関わらないようにしてただけ」


「…彼女ができたら四葉と話せなくなるの?
それっておかしくね?
友達なんだからいいじゃん」



友達…

そうだ、私と彼方は幼馴染みという名のただの友達なんだ。

特別でも何でもない。
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