ハロウィンにて
「高佐〜何、やってんの?こっちこっち」

「すいません。このエビフライ、おいしくて・・・」

「そんなに・・・。野井さん、すいません・・・」

「あ、いえ・・・」


 口を一生懸命動かしながら、高野っていう人が、こっちにくる。

 パーティーっていっても・・・・・。
 
 俺は、苦笑した。




「・・・・・初めまして。高佐友化っていいます。これから、よろしくお願いします」


 よく、あんな量を、この何秒かで食べ終えたな。

 って、この顔、どこかで・・・・・。






「私は、これで失礼します」


 俺が所属しているところの課長を見つけたらしく、営業の人は、挨拶に行った。

 大変だな。








「あの、高佐さん」

「はい」

「昔、どこかで会った気が・・・」

「いいえ。もう、私の魅力に、あたったかしら?」


 初対面なのに、少し、失礼な人だな。

 そのセクシーな格好には、合ってるけど。


「あ!思い出した。友化でしょ。高校の時の」

「うーん」

「俺、孝太。友化に、ハロウィンの日に、変な遊びに付き合わされた・・・」

「あー、野井孝太ね。思い出した。孝太が、取引先だとは・・・」

「それは、俺のセリフ。嫌だー」

「どうして?」

「昔、知ってる人と、やりにくいだろう?」

「確かに」

「っていうか!!どうして、よりによって、そんな変な遊びした時のことを、思い出すのよ!!」

「友化、声、大きいって」

「ごめん」


 俺たち、二人は、少し、注目されていた。

 そして、俺たちを見てる人に対して、二人して、謝った。

 個人個人じゃないけど。


「それにしても・・・・」

「友化、ちょっと、移動しない?」

「え?どうして?二人になりたいの?」

「違うー。そんな上目遣いで見られても・・・。友化の声、大きいから。」

「あ、そういうこと!小さい声で話すから」

「そう。まぁ、いいけど」

「そういえば、孝太って、結婚してるの?」

「ううん」

「へ?その・・・高校の時に付き合ってた彼女は?」

「別れた。1年で。その後も、何人か付き合って、今に至る…って、どうして、こんなこと、おまえに言わないとだめなの?」

「いやいやいや、孝太が勝手に、ペラペラと・・・って、孝太も、声、大きいって。また、見られてる」

「あ、ごめん」

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