ハロウィンにて
 俺は、周囲を見回した。

 俺と友化は、また、謝った。


「そこの二人!名前は聞かんから、ちょっと出て行ってくれないか。パーティーは、騒がしいし、今も、騒がしいけど、そこの二人は、目立つな。すまないけど」

「はい」

「はい。富戸家社長」


 社長に、目をつけられた。

 出席したの失敗だったかな。




「あの・・・・」


「ごほんっ。私の言ったことが、聞こえなかったのかな。これで、成績に響くことは、ないから。あー、名札は、返却不要だ。他の人達もだ」

「すいません。社長」


 友化、余計なこと言いやがって。


 どうか、俺の名前、社長とかの耳に入りませんように。



 



 
「とりあえず、名札、隠せ」


 俺は、友化に合図して、出て行こうとした。

 さっきの社長の声もあって、みんな、騒ぐのやめて、俺と友化の歩くところは、花道みたいになってる。

 あの営業の人・・・・・日向(名札確認)さんもいて、微妙な表情でこっちを見ている。

 そりゃ、そうだよな。
 
 同僚とか、部下ならともかく、取引先に勤めてる、俺まで、騒いだしな。




「みんな、何、静まってる!楽しもうじゃないか!」


 一拍の静寂の後、たくさんの人の声、グラス同士がぶつかる音などが、聞こえてきた。


「ごめんね。こんなことになって」

「もういいよ。ただ、俺の成績が、これで下がると思ったら・・・」

「大丈夫じゃない?名前、聞かれなかったし。ごめんね」

「おまえな!」

「ごめん」


 友化は、かすかに震えて、怯えていた。
 

「友化、そんなキャラだっけ?まぁ、友化の調子に乗って、あそこで大きい声出した俺も悪いし・・・」

「じゃ、おあいこってことで。」

「なーに!友化の方が、7割ぐらい悪いと思うけどな。可愛いポーズしても、無理!」

「やっぱりだめか〜。孝太のけちん坊!」

「ケチで結構。そういえば、友化もばれたら、成績、落ちるぞ」

「いいもん。常日頃成績良いから、少し落ちても大丈夫」

「おまえな〜」

「っていうか、いつまでこんな寒い所で、しゃべってるわけ?今、冬だし。どこかいこっ!」


 確かに、俺と友化は、道の端で話してるわけで・・・・・。

 うーん。どこ行こう。

 以外に、この辺って、喫茶店がないんだよな・・・・・。



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