俺様当主の花嫁教育
なぜだか事実が歪曲されている上に、とんでもない方向に解釈されているけれど。
そして、それを聞いて度肝を抜かれた千歳さんが、私の身を案じて茶室に乗り込んできたのだ。
ところが……。
客の引いた茶室で繰り広げられていた光景は千歳さんの想像とは真逆で、畳に頭を擦りつけながら謝る私と、聞く耳持たずに怒り心頭の御影さんだったというわけで。
「いや、東和のヤツ、本当になんてことしでかしたんだ!と思ってたのよ。私には『彼女』とは言わなかったくせに、いくらなんでも強引過ぎて、なんて外道なんだ!!って」
まだほのかにお茶の香りが漂うお茶室で、千歳さんはバシバシと畳を手で叩いた。
「……姉さん。それはいくらなんでも俺に対する冒涜じゃねえのか? 俺が、こんな作法も知らない平民を茶会の客の前で襲ってまで、俺の女として認めさせようとするわけがないだろうがっ」
胡坐をかいて腕組したまま、御影さんが本気の苛立ちを露わに、千歳さんに怒鳴りつけた。
その酷い言われように大いに抗議したいところだけど、今はあまりに立場が弱くて、私はより一層身を縮めるだけだ。
「しかも、事実無根だ。俺が襲ったんじゃなく、俺は被害者だぞっ!」
そう、ほんと、その通り。
もういろいろと自分が痛くて、私は肩を大きく縮込めて、すみませんでしたっ!と大声で謝った。
そして、それを聞いて度肝を抜かれた千歳さんが、私の身を案じて茶室に乗り込んできたのだ。
ところが……。
客の引いた茶室で繰り広げられていた光景は千歳さんの想像とは真逆で、畳に頭を擦りつけながら謝る私と、聞く耳持たずに怒り心頭の御影さんだったというわけで。
「いや、東和のヤツ、本当になんてことしでかしたんだ!と思ってたのよ。私には『彼女』とは言わなかったくせに、いくらなんでも強引過ぎて、なんて外道なんだ!!って」
まだほのかにお茶の香りが漂うお茶室で、千歳さんはバシバシと畳を手で叩いた。
「……姉さん。それはいくらなんでも俺に対する冒涜じゃねえのか? 俺が、こんな作法も知らない平民を茶会の客の前で襲ってまで、俺の女として認めさせようとするわけがないだろうがっ」
胡坐をかいて腕組したまま、御影さんが本気の苛立ちを露わに、千歳さんに怒鳴りつけた。
その酷い言われように大いに抗議したいところだけど、今はあまりに立場が弱くて、私はより一層身を縮めるだけだ。
「しかも、事実無根だ。俺が襲ったんじゃなく、俺は被害者だぞっ!」
そう、ほんと、その通り。
もういろいろと自分が痛くて、私は肩を大きく縮込めて、すみませんでしたっ!と大声で謝った。