パレット 〜White Story〜
「ねぇ…なんか喋ってよ。なんで黙ってるの?」

『ずっと喋ってなきゃいけねぇのかよ…深優こそ、なんか喋れよ。』

いつもの調子が狂い、ぎこちない会話になってしまっていた。

2人共、下を向いたまま歩き続ける…

沈黙が続く程、余計に喋りづらくなっていく。
悪循環だ。

すると、前から自転車の音が近付いて来た。
ライトは見えない。
深優は気付いていない様子だ。

自転車がすぐ近くまで来た時、見えなかったその姿がやっと確認出来た。

陽斗は、下を向いたまま歩いている深優の手首を掴み、咄嗟に引き寄せた。

「…!!」

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