パレット 〜White Story〜
深優が真面目な顔で言い聞かせる。

『深優はもう大学決めてんのか?』

「うん。あたしM大学受けるつもり。」

『マジ?レベル高いね〜。まっ、受かるかどうかは別だけどな。』

深優を横目で見ながら、陽斗はニヤリと笑う。

「失礼ね!あたしは受かるよ。勉強してますから!」

成績の良い深優は、余裕の表情を浮かべた。

陽斗はまだ、大学受験を真剣に考えてはいなかった。大学に進む理由が、まだ見つかっていない…
それが本音だった。

その日の帰り、いつもの様に3人でファーストフード店に寄り道をし、他愛ない会話をしている時のことだった。

< 7 / 15 >

この作品をシェア

pagetop